講習概要
酸素欠乏症や硫化水素中毒の危険がある酸素欠乏等危険場所での作業は、製造業や建設業のほか幅広い業種で行われています。
そして酸素欠乏症等による労働災害は各業種において発生しており、死亡率(※1)が高い災害でもあります。これらの災害の多くは、現場作業者への教育不足、作業管理の徹底不足など酸素欠乏症等の発生原因や防止措置に関する不十分な知識が原因となって発生しています。
中でも製造業では、有毒ガスは元よりプロパンガスや窒素など日常生活に身近な物質も工業用等に幅広く使用されており、これらのものも条件さえ揃えば酸素欠乏症を発生させる原因となることから、直接取り扱うこととなる作業者への知識教育は欠かせません。
また、労働安全衛生法により事業者は危険又は有害な業務に労働者を従事させる場合は特別教育を行うよう規定され、「酸素欠乏危険場所における作業に係る業務」は、労働安全衛生規則により「危険又は有害な業務」に指定されています。
酸素欠乏危険作業には第1種と第2種があります。当講習は第2種(酸素欠乏症または硫化水素中毒のおそれがある作業)に従事する作業者を対象としています。また、この講習は第1種の教育内容も含んでいます。
詳しい区別は関係法令(下記、関係法令参照)の通りです。
※1「死亡率」・・・ここでは死亡者数を休業4日以上の被災者数で割った率を指しています。
対象業務
酸素欠乏症等防止規則に定められた第2種酸素欠乏危険作業に係る業務
講習の内容
合計5.5時間
学科 |
酸素欠乏等の発生の原因 |
1時間 |
酸素欠乏症等の症状 |
1時間 |
空気呼吸器等の使用の方法 |
1時間 |
事故の場合の退避及び救急そ生の方法 |
1時間 |
その他酸素欠乏症等の防止に関し必要な事項 |
1.5時間 |
講習スケジュール(開催日程)
講習会スケジュールページからご確認をお願いいたします。
講習会スケジュール
関係法令
- 労働安全衛生法第59条第3項
-
「事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令(労働安全衛生規則36条)で定めるところにより、
当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。」
- 労働安全衛生規則第36条第26号
-
「法第59条第3項の厚生労働省令で定める危険又は有害な業務は、次のとおりとする。」
「26 令別表第6に掲げる酸素欠乏危険場所における作業に係る業務」
- 労働安全衛生法施行令別表第6
-
(酸素欠乏危険場所)
-
次の地層に接し、又は通ずる井戸等(井戸、井筒、たて坑、ずい道、潜函、ピツトその他これらに類するものをいう。次号において同じ。)の内部(次号に掲げる場所を除く。)
- イ:上層に不透水層がある砂れき層のうち含水若しくは湧水がなく、又は少ない部分
- ロ:第一鉄塩類又は第一マンガン塩類を含有している地層
- ハ:メタン、エタン又はブタンを含有する地層
- ニ:炭酸水を湧出しており、又は湧出するおそれのある地層
- ホ:腐泥層
- 長期間使用されていない井戸等の内部
-
以下
①ケーブル、ガス管その他地下に敷設される物を収容するための暗きよ、マンホール又はピツトの内部
②雨水、河川の流水又は湧水が滞留しており、又は滞留したことのある槽、暗きよ、マンホール又はピツトの内部
③海水が滞留しており、若しくは滞留したことのある熱交換器、管、暗きよ、マンホール、溝若しくはピツト(以下この号において「熱交換器等」という。)又は海水を相当期間入れてあり、若しくは入れたことのある熱交換器等の内部
- 相当期間密閉されていた鋼製のボイラー、タンク、反応塔、船倉その他その内壁が酸化されやすい施設(その内壁がステンレス鋼製のもの又はその内壁の酸化を防止するために必要な措置が講ぜられているものを除く。)の内部
- 石炭、亜炭、硫化鉱、鋼材、くず鉄、原木、チツプ、乾性油、魚油その他空気中の酸素を吸収する物質を入れてあるタンク、船倉、ホツパーその他の貯蔵施設の内部
- 天井、床若しくは周壁又は格納物が乾性油を含むペイントで塗装され、そのペイントが乾燥する前に密閉された地下室、倉庫、タンク、船倉その他通風が不十分な施設の内部
- 穀物若しくは飼料の貯蔵、果菜の熟成、種子の発芽又はきのこ類の栽培のために使用しているサイロ、むろ、倉庫、船倉又はピツトの内部
- しょうゆ、酒類、もろみ、酵母その他発酵する物を入れてあり、又は入れたことのあるタンク、むろ又は醸造槽の内部
- し尿、腐泥、汚水、パルプ液その他腐敗し、又は分解しやすい物質を入れてあり、又は入れたことのあるタンク、船倉、槽、管、暗きよ、マンホール、溝又はピツトの内部
- ドライアイスを使用して冷蔵、冷凍又は水セメントのあく抜きを行つている冷蔵庫、冷凍庫、保冷貨車、保冷貨物自動車、船倉又は冷凍コンテナーの内部
- ヘリウム、アルゴン、窒素、フロン、炭酸ガスその他不活性の気体を入れてあり、又は入れたことのあるボイラー、タンク、反応塔、船倉その他の施設の内部
- 前各号に掲げる場所のほか、厚生労働大臣が定める場所
- 酸素欠乏症等防止規則第2条
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「7 第1種酸素欠乏危険作業 酸素欠乏危険作業のうち、第2種酸素欠乏危険作業以外の作業をいう。」
「8 第2種酸素欠乏危険作業 酸素欠乏危険場所のうち、令別表第6第3号の3、第9号又は第12号に掲げる酸素欠乏危険場所(同号に掲げる場所にあつては、酸素欠乏症にかかるおそれ及び硫化水素中毒にかかるおそれのある場所として厚生労働大臣が定める場所に限る。)における作業をいう。」
- 酸素欠乏危険作業特別教育規程第2条
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「酸素欠乏症等防止規則第12条第2項において準用する同条第1項の規定による特別の教育は、学科教育により、次の表の上欄に掲げる科目に応じ、それぞれ、同表の中欄に掲げる範囲について同表の下欄に掲げる時間以上行うものとする。」(※ここでは表は省略します)
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